4月から月9で「イチケイのカラス」というドラマが始まりました。竹野内豊演じる型破りな裁判官が、黒木華演じる堅物で生真面目な若手裁判官や、部内の裁判所書記官たちも巻き込みながら、事件の背景にある事実と向き合いながら刑事裁判を解決する、というドラマです。

これまで裁判もののドラマといえば、弁護士か検事が主役でしたが、裁判官が主役のドラマというのはほとんどなかったと思います。ずいぶん昔(30年以上前?)に、片岡鶴太郎が少年事件の裁判官を演じる「家裁の人」というドラマがありましたが、それ以来、記憶にありません。

私、国選弁護人(資産がなく自分で弁護士を頼めない被告人に国の負担でつける弁護士)の仕事も来るので、年に何回かは刑事裁判に関わります。多分、これまで100件近くはやったかと思います。

ですが、事件の背景を探って、時には自ら現場で捜査をやり直す裁判官なんていません。ドラマの主人公は弁護士から裁判官になったという設定ですが、確かにそういう制度はあります(弁護士任官といいます)。でもそういう人は、年に数人いるかいないかです。しかも裁判所という所は超保守的な組織ですので、あんな型破りな人を裁判官には採用しません。

でも、こんなの現実的ではないと言ってリアリティーばかり重視していたら、「HERO」も「99.9」も見られません。裁判もの以外でも、医師が主役の「ドクターX」も、病院内薬剤師が主役の「アンサングシンデレラ」も、法医学者が主役の「朝顔」も、みな非現実的ですが、私、全部好きでした。

だから、今回のドラマも、こんな裁判官いたらいいな、と思いながら毎週見ると思います。

なんといっても、竹野内豊がかっこいい。全然老けない。いつまでたっても、ビーチボーイズの頃のまま。黒木華さんを初め、周りの脇役陣も個性的でうまい役者さんが揃ってる。ストーリーも面白いです。

裁判官が竹野内豊、弁護士が松潤(深山弁護士)、検事がキムタク(久留生検事)の刑事裁判って、最強です。そんなドラマ、いっぺん見てみたいです。でも、裁判が長引いて終わらないでしょうね。

岐阜みなみ法律事務所