調停委員ってどんな人?
今日は調停委員について述べます。
日本の場合、離婚届さえ役所に提出すれば、離婚は成立します。これが協議離婚というものです。
しかし、それができない場合は、いきなり裁判をおこすことは認められておらず、まず家庭裁判所に離婚調停を申し立てなくてはなりません。
この離婚調停で話を聞いてくれるのが「調停委員」です。
調停の進め方
調停委員は通常、男女1人ずつですで、調停を申し立てた者(申立人)と申し立てられた者(相手方)の話を交代で聞きます。だいたい、1人30分ずつで交代します。
では、調停委員ってどんな人なんでしょう? 一般の方にはなじみがなく、裁判官のように裁判所の人間だと思っている方もいるかもしれません。でも違います。
調停委員はどうやって選ばれる?
確かに、身分上は非常勤の国家公務員ですが、普段は別の仕事をしている人たちです。私も調停委員です。
具体的には、40歳以上70歳未満の人で、弁護士、税理士、司法書士、行政書士などの専門家の他に、地域社会に密着して幅広く活動してきた人が選ばれます。元銀行員という方もいましたし、夫婦で飲食店を経営している方もいました。もちろん、誰でもいいというわけではないので、例えば弁護士であれば弁護士会、地域の方であれば民生委員などの、各種団体の推薦を元に、裁判所が面接をした上で、選考します。私も面接を受けました。裁判所の所長や家裁の部長裁判官を目の前にして、大変緊張しました。
調停委員を味方につける!?
調停の際、調停委員を味方につけるといいというような説明がなされている本やネット記事もあります。
しかし、調停委員は中立公平な第三者的立場として話を聞くので、どちらの味方にもなりません。調停は、最終的に夫婦間で合意できない限り成立しないものであり、調停委員に決める権限はないので、味方につけるという発想は少々違うのかなと思います。
ただ、調停委員も人間ですから、こちらの気持ちをわかってもらえるように、冷静に、真摯に話をした方が、もちろんいいですよね。時には言い方が少々きつい調停委員とか、こちらの言ってることをあまり理解してくれない調停委員の方にもあたりますが、皆さん、なんとか調整したいという気持ちを持ってやられていることは共通しているかと思います。
そうは言っても、自分で調停を起こしたけど、どうも調停委員との相性がよくないと感じる方、そういう方もいらっしゃいます。正直、そういう不満を聞いたこともあります。また、調停委員からこう説明されたけど、本当にそれでいいのか不安だという方もいるかもしれません。
そういう方は、一度ご相談にいらしてみて下さい。
日当は?
ちなみに、1回の調停で3時間から4時間ほど時間をかけて(事前に書面を読んだりもう一人の委員の方や裁判官・書記官とと打合せをすると、もっとかかります)、国(裁判所)から支給される日当は8,000円くらいです。
決して高くはありませんが、弁護士以外の立場から話を聞けることは、大変いい勉強になります。また、何とか話がまとまった時には、よかったなとやりがいも感じます。
少しは、調停委員というのが、どんな感じのものか、わかって頂けましたか?