共同親権について(1)
令和8年4月1日より、共同親権制度が開始されました。この内容について、まだよくわからないとか、誤解をされている方もいるかもしれません。
そこで、今回から何回かに分けて、共同親権についてお話しします。
第1 「親権」と「親としての責任」の違いを知ろう
1. そもそも「親権」とは
親権には、主に次の2つの要素から構成されています。
【身上監護権(しんじょうかんごけん)】
子と一緒に生活し、衣食住の世話やしつけを行い、教育や医療、居住地などの日常生活に関する決定をする権利と義務。
【財産管理権(ざいさんかんりけん)】
子の名義の預貯金口座を開設・管理したり、子に代わって重要な契約を結んだり、子の所有財産を保護・管理する権利と義務。
※今回の法改正により、親権は「子の利益(子どもの幸せと安心安全)のために行使しなければならない」という根本原則が法律上明確に規定されました(民法818条1項)。親の感情や利益ではなく、子どもの健やかな成長が常に最優先されます。
2. 離婚後も消えない「親としての3つの基本責務」
改正法(民法817条の12)では、親権者であるかどうかにかかわらず、父母の双方が負うべき「親の責務」が新しく法律に明記されました。離婚しても親子の血縁や法的責任は変わりません。
親としての基本責務
【① 子の人格尊重・発育配慮】
子どもの意思や気持ちを尊重し、年齢や心身の発達程度に応じて健やかに養育・配慮する義務。
【② 生活保持義務(養育費)】
自分と同じ水準の生活を子どもに保障する義務。これが離婚後の「養育費支払い義務」の強固な法的根拠となります。
【③ 父母間の互いの尊重・協力】
離婚後も、子育てに関する事項について互いの人格を尊重し合い、協力しなければならない義務。
【ポイント】
単独親権を選択し、一方の親が非親権者(別居親)になった場合でも、養育費の支払や子どもへの成長配慮義務はそのまま残ります。これらを不当に怠ると、将来の面会交流や親権の変更手続きにおいて不利益に考慮される場合があります。
今回は、親権と、親の責務について、民法がどのように定めているかを説明しました。次回からは、もう少し具体的に、離婚の際の親権の選択について説明したいと思います。




